共同利用・共同研究拠点

主な共同研究成果

慢性骨髄性白血病発症過程における、ケモカインMIP-1α/CCL3による白血病幹細胞の維持機構

MIP-1α/CCL3-mediated maintenance of leukemia initiating cells in the initiation process of chronic myeloid leukemia.
共同研究者

順天堂大学医学部 小松則夫 金沢大学がん進展制御研究所 向田直史

発表論文

J Exp Med 210 : 2661-2673, 2013.

著者

Baba T, Naka K, Morishita S, Komatsu N, Hirao A, Mukaida N

要 旨

第9染色体と第22染色体間の転座によって生じるBCR-ABL遺伝子は、正常造血幹細胞を慢性骨髄性白血病細胞へと悪性転換させる。多数の正常造血幹/前駆細胞の間に散在していた少数のBCR-ABL発現白血病細胞が、徐々に数を増していき最終的には骨髄全体を占拠するに至ると考えられている。この過程において、BCR-ABL発現白血病細胞が産生するケモカインCCL3が、正常造血幹/前駆細胞の増殖の抑制・骨髄外への流出を促し、骨髄内で白血病細胞が増殖するために必要なスペースの確保を通して、発症に関与していることを明らかとした。さらに、チロシン・キナーゼ阻害剤による治療後の慢性骨髄性白血病においても同様の現象は起きていて、CCL3が慢性骨髄性白血病の分子標的薬に対する薬剤耐性の成立機構にも関与している可能性も示唆された。


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慢性骨髄性白血病発症過程でのCCL3の役割 CCL3は、①正常ニッチ細胞の白血病ニッチ細胞への変換、②正常造血細胞の増殖抑制、③正常造血細胞の骨髄外への流出を促し、白血病細胞の骨髄内増殖に有利な環境の形成に寄与している。 (J Exp Med 210: 2661-2673, 2013 より)