共同利用・共同研究拠点

主な共同研究成果

BIM遺伝子多型に起因するEGFR-TKI耐性のHDAC阻害薬併用による克服

EGFR-TKI resistance due to BIM polymorphism can be circumvented by in combination with HDAC inhibition.
共同研究者

金沢大学がん進展制御研究所 竹内伸司、矢野聖二 名古屋大学大学院医学系研究科呼吸器内科学 長谷川好規

発表論文

Cancer Res 73:2428-34, 2013

著者

Nakagawa T, Takeuchi S, Yamada T, Ebi H, Sano T, Nanjo S, Ishikawa D, Sato M, Hasegawa Y, Sekido Y, Yano S.

要 旨

EGFR変異肺がんにおいて、アポトーシス抵抗性がEGFRチロシンキナーゼ阻害薬(EGFR-TKI)耐性を早期に誘導する因子として注目されている。EGFR変異肺がん細胞のアポトーシス誘導にはBcl-2ファミリーに属するアポトーシス促進タンパクであるBIMが中心的役割を果たしている。BIM遺伝子に特定の多型を有すると活性型BIMタンパクの発現が低下し、EGFR-TKIによるアポトーシスに抵抗性を示すことが報告された(Ng KP, et al. Nat Med, 2012)。本研究では、BIM遺伝子多型を有するEGFR変異肺がん細胞において、HDAC阻害薬であるボリノスタットをEGFR-TKIに併用することによって活性型BIMタンパクの発現を上昇し、アポトーシス抵抗性を克服できることを明らかにした。さらに、BIM遺伝子多型は末梢血(全血)から抽出したゲノムDNAや血清中の遊離DNAを用いたPCR法で測定できることを示した。本研究成果によって、BIM遺伝子多型を有するEGFR変異肺がんに対してEGFR-TKIとHDAC阻害薬併用治療の有効性が示唆され、個別化に基づいた分子標的治療開発に重要な知見となった。


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BIM遺伝子多型に起因するアポトーシス抵抗性とボリノスタット併用効果
BIM遺伝子多型を有すると不活性型のBIM選択的なスプライシングによりアポトーシス抵抗性示すが、ボリノスタット併用により活性型BIM発現を上昇しアポトーシスを誘導できる。