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セミナー・イベント
11月6日(木)、がん進展制御研究所セミナーが、学際領域展開ハブ形成プログラム「健康寿命科学」の共催のもと、未来知実証センター3階オープンフロアにおいて開催されました。保田尚孝先生(オリエンタル酵母工業株式会社・バイオ事業本部 本部長付、東京歯科大学・客員教授、昭和医科大学・兼任講師)をお招きし、「RANKLの発見から未来への展望へ」と題したご講演を行っていただきました。
保田先生は90年代後半、当時雪印乳業生物科学研究所に勤められていた頃に、破骨細胞分化抑制因子OPGと破骨細胞分化必須サイトカインRANKLを発見され、骨代謝学発展の大きな契機となりました。保田先生が世界に先駆けて特許出願されたRANKL中和抗体は、米国Amgen社により抗体医薬(デノスマブ)として臨床応用され、2024年には全世界で約1兆円の売上を達成しています。
ご講演では、RANKLの発見から特許出願に至る経緯や、Amgenグループとの熾烈な研究競争の逸話を交え、ご紹介いただきました。また近年、RANKL中和抗体は免疫チェックポイント阻害剤との併用療法の効果が注目され、複数の臨床試験が進行中です。こうしたRANKL中和抗体を活用した新たながん免疫療法の可能性についても概説いただきました。最後には、アカデミアと産業界双方での豊富なご経験を基に(特許出願歴は50件!)、産学連携の重要性やキャリアパス形成についても幅広くご講演いただきました。
セミナーには、研究所内外の教職員、大学院生等約30名が参加し、活発な質疑応答や意見交換が行われました。

保田先生によるご講演の様子

保田尚孝先生

岡本一男先生によるご挨拶

質疑応答


