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セミナー・イベント
12月12日(金)、新学術創成研究機構 異分野融合セミナー/がん進展制御研究所セミナーが、学際領域展開ハブ形成プログラム「健康寿命科学」の共催のもと、がん進展制御研究所4階会議室において開催されました。東京大学医科学研究所の山口貴世志先生をお招きし、「ゲノム情報とケミカルバイオロジーを駆使したがん治療薬開発研究」と題したご講演を行っていただきました。
ご講演では、ブロモドメインタンパク質BRD8やその関連因子によるがんの進展制御に関する最新の研究成果についてご解説いただきました。前半では、BRD8がMRGBPと複合体を形成することによって安定化することや、NuA4ヒストンアセチルトランスフェラーゼ複合体サブユニットのひとつであるTIP60とは独立して標的遺伝子の転写を活性化することなど、最新の解析データを交えてご紹介いただきました。また、後半では、未発表データを交えて、BRD8のブロモドメインを標的としたがん治療薬開発の可能性についてご紹介いただきました。とくに、BRD8の転写活性化能を応用したケミカルバイオロジーの視点から創薬設計に取り組んでおり、異分野融合の観点からも極めて示唆に富むものでした。
セミナーには、研究所内外の教職員、大学院生等約20名が参加し、活発な質疑応答や意見交換が行われ、分子生物学やがん生物学、創薬科学研究など幅広い分野の研究者にとって有益であり、新たな共同研究の可能性を拓く契機ともなりました。

セミナー主催の中野泰博先生

山口貴世志先生

山口貴世志先生によるセミナー

質疑応答


