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「第54回日本免疫学会学術集会」に、免疫環境ダイナミクス研究分野の教員と学生が参加・発表しました (12月10日~12日)

 

 2025年12月10日(水)~12日(金)、アクリエひめじにて「第54回日本免疫学会学術集会」が開催されました。テーマを「免疫を知る、創る、操る」とし、河本宏 学術集会長の獲得免疫系による抗原特異的な治療法の達成への願いが強く込められています。例年通りの「免疫系の進化」という免疫学における重要な研究成果発表はもちろん、治療法の開発を目指すという点での「細胞療法」をテーマにしたシンポジウムやセッションが充実していたことも大きな特徴でした。また、がん免疫学会などの他学会との連携も多数行われ、スケジュール間の適度な余裕や会場内のフリースペースの充実によって、研究者間の活発な意見交換の場になっていた点も特筆すべきだと感じました。

 なお、免疫環境ダイナミクス研究分野から教員1名、学生1名が『学際領域展開ハブ形成プログラム』による支援を受け、年会に参加し、情報交換及びポスター発表を行いました。

 

学会会場風景

 

 本年の免疫学において二つの重要なトピックについても紹介したいと思います。

 一つ目は「制御性T細胞に関する研究ノーベル賞受賞」です。大阪大学教授である坂口志文先生が受賞されたことで、免疫学関係者のみならず日本全体で大きく注目されました。ノーベル賞授賞式と会期が重なっておりましたが、録画ビデオにて坂口先生の講演もあり多数の参加者が聴講していました。細胞療法を目指す上で「制御性T細胞」の存在は欠かせない要素であるため、坂口先生の功績は多大な影響力があります。

 もう一つは「Fritz Melchers博士の逝去」です。Fritz Melchers博士は、B細胞の初期発生と分化の研究で世界的に著名な免疫学者であり、複数のノーベル賞受賞者を輩出したバーゼル免疫研究所の所長を長年務められ世界的な免疫学の発展に貢献されました。日本免疫学会への支援もいただいており、「Fritz Melchers先生を偲ぶ会」のセッションも開催されました。多くの参加者が追悼の意を表し、先人の貢献への感謝を示していました。

 

Fritz Melchers先生を偲ぶ会のポスター

 

 本年の免疫学会では、自身のポスター発表およびシンポジウム・ワークショップに参加しました。ポスター発表会場は研究者間の交流が推進できるよう適度に空間が使われており、当研究室の大学院生も気楽に質問を行っていました。ワークショップにて口頭発表された演題もポスターでの発表があるため、時間の制約無く活発に議論が行えることも後押ししています。最新の研究動向に加え、現時点での研究トレンドや先端技術・アプローチなどを勉強させていただき、多面的な思考が結びつくことによって真なる理解へつながることを再認識する機会となりました。また、自身の研究を見つめなおす機会ともなり、今回得られた経験を活かして研究活動を進めていきたいと考えています。

 

筆者の発表ポスター

学生の情報収集

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▶ 第54回日本免疫学会学術集会HP