組織・研究分野
がん幹細胞プログラム
Cancer and Stem Cell Research Program

分子生体応答研究分野
Division of Molecular Bioregulation

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スタッフ

准教授
馬場 智久
Baba Tomohisa

目的、研究課題、最近の主な成果

 組織障害に対して,生体は炎症反応を行い,組織障害を軽減するように働く。しかし,過剰な炎症反応は,Helicobacter pyloriiの慢性感染で見られるように,組織障害を進行させ,時にがんを発症させる。
 固形がん組織中の線維芽細胞・血管内皮細胞などのいわゆるストローマ細胞と白血球は,がん細胞との相互作用を通して,ケモカインを始めとする炎症性サイトカインを始めとする生理活性物質を産生する。産生された因子は,がんの進展・転移に重要な役割を果たしている。本研究分野では,

  1. ケモカイン関連遺伝子欠損マウスを用いた解析から,ケモカインががんの発症・進展に,種々の面から関与していることを明らかにしつつある。
  2. セリン/スレオニン・キナーゼ活性を保有する,原がん遺伝子Pim-3の発現が,肝臓・膵臓におけるがん病変で亢進していて,好アポトーシス分子Badの不活性化を通して,がん細胞のアポトーシスを抑制し,がんの進展に寄与している可能性を明らかにした。このことは,Pim-3を分子標的とした新たな抗がん療法の可能性を示唆している。

ケモカインのがん病態における役割

ケモカインのがん病態における役割

ケモカインは,①免疫担当細胞のがん病巣から所属リンパ節への移動過程の調節,②腫瘍血管新生の誘導,③がん細胞の運動性亢進による転移能の亢進以外に,がん細胞・ストローマ細胞からの種々の生理活性物質の産生を誘導し,がん病態の形成に関与している。

がん病変で発現亢進するセリン/スレオニン・キナーゼPim-3

がん病変で発現亢進するセリン/スレオニン・キナーゼPim-3

がん病変で発現亢進するPim-3は,好アポトーシス分子,Badをリン酸化し,不活性化することによって,がん細胞のアポトーシスを抑制している。