組織・研究分野
先進がんモデル共同研究センター
Innovative Cancer Model Research Center

腫瘍遺伝学研究分野
Division of Genetics

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スタッフ

教授
大島 正伸
Oshima Masanobu

准教授
大島 浩子
Oshima Hiroko

助教
中山 瑞穂
Nakayama
Mizuho

准教授
VOON, Dominic Chih Cheng
新学術創成機構若手PI

目的と研究課題

 当研究分野では、胃がんや大腸がんを中心とする消化器がんの発生および悪性化進展機構の解明を目指して、新規マウスモデルや、腫瘍組織からオルガノイドを樹立し、以下の研究プロジェクトを推進している。

【ドライバー変異蓄積による悪性化機構】

 大腸がん発生と悪性化に関与するドライバー遺伝子数種類を組み合わせで導入したマウスモデルおよび腫瘍オルガノイドを樹立し、大腸がん細胞の悪性化形質や肝転移能獲得にはApc、Kras、Tgfbr2変異の組み合わせが重要であることを明らかにした(Sakai E, et al, Cancer Res, 2018)。

【Stat3による腸上皮幹細胞の維持制御】

 炎症反応に重要な転写因子Stat3の遺伝子欠損マウスおよび腸管上皮由来オルガノイドを用いた解析により、腸管粘膜傷害に対する再生過程にStat3は必須な役割を果たすが、APC遺伝子欠損に起因した腸上皮細胞腫瘍化には必要ないことを示した(Oshima H, et ali>, FASEB J, 2019)。

【炎症依存的胃がん発生におけるmicroRNAの役割】

 Wntシグナルと炎症反応の相互作用により胃がんを発生するGanマウスを用いた解析により、IL-1依存的に発現するmiR-135bが腫瘍細胞の増殖や浸潤性を亢進することを明らかにし、炎症反応依存的な新規胃がん発生機構として報告した(Han TS, et al, Gastroenterology, 2019)。

【NOX1/ROSシグナルによる胃がん発生機構】

 Ganマウス胃がん組織では、TNF-α依存的にNOX1が活性化することを明らかにした。さらに、NOX1により産生される活性酸素種(ROS)が胃上皮細胞の未分化性誘導に関わるSOX2シグナルを亢進し、胃がん発生を促進する可能性が考えられた(Echizen K, et al, Oncogene, 2019)。

(図)炎症反応による胃がん発生促進機構

ピロリ菌感染により慢性炎症を発症した胃粘膜上皮では、サイトカインIL-1によりmiR-135bが発現し、TNF-αによりNOX/ROS経路が活性化し、それぞれ、胃粘膜上皮細胞の未分化性、増殖性、遊走を亢進して胃がん発生を促進する。
(Han et al. Gastroenterology, 2019; Echizen et al, Oncogene, 2019)