組織・研究分野
先進がんモデル共同研究センター
Innovative Cancer Model Research Center

腫瘍遺伝学研究分野
Division of Genetics

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スタッフ

教授
大島 正伸
Oshima Masanobu

准教授
大島 浩子
Oshima Hiroko

助教
中山 瑞穂
Nakayama
Mizuho

目的、研究課題、最近の主な成果

 がんの発生および悪性化進展には,がん関連遺伝子変異と,腫瘍間質の微小環境形成の双方が重要に関与している。当研究分野では,微小環境による発がん促進作用に着目し,以下の項目を中心に研究を推進している。

マクロファージによるWnt活性化

 炎症反応により浸潤するマクロファージは,消化器がん発生に重要である。胃がん組織ではマクロファージが産生するTNFの作用により,腫瘍細胞のWntシグナル活性が上昇し,腫瘍原性の維持や亢進に関与すると考えられた(Oguma K et al, EMBO J, 2008)。

自然免疫による微小環境形成

 WntとPGE2の相互作用により胃がんを発生するGanマウスを無菌化すると,炎症性微小環境の形成が抑制されて,胃がん発生が顕著に抑制されることを明らかにした。したがって,細菌感染刺激による自然免疫活性化が炎症性微小環境の構築に重要と考えられた(Oshima H, et al, Gastroenterology, 2011)。

炎症依存的miRNA制御

 Ganマウスを用いて,炎症依存的に腫瘍組織で発現変化するmicroRNAを網羅的に解析した結果,miR-7の発現低下が認められた。ヒト胃がんでもmiR-7は炎症依存的に発現低下し,腫瘍原性維持に関与することが明らかとなった(Kong D, et al, Oncogene, 2012)。

TNFによるがん幹細胞性制御

 Ganマウスの骨髄細胞でTNF遺伝子を欠損させると,胃がん発生が顕著に抑制された。また,TNF依存的に発現誘導するNoxo1は正常幹細胞でも発現し,胃がん細胞の腫瘍原性維持に作用する事が明らかとなった(Oshima H, et al, Oncogene, 2013)。

骨髄由来TNFによる発がん促進作用

骨髄由来TNFによる発がん促進作用

Tnf-/- Ganマウスでは胃がん発生が顕著に抑制されるが、Tnf野生型GFPマウスから骨髄移植すると、胃がんが発生し(左)、GFP 陽性細胞浸潤が観察される(右)。この結果は、マクロファージ由来TNFの重要性を示唆している。

胃がん組織への顕著なマクロファージ 浸潤

胃がん組織への顕著なマクロファージ 浸潤

GanマウスにGFPマウスから骨髄移植すると、胃がん組織へのGFP陽性骨髄細胞の浸潤が見られる。その多くはマクロファージであり(左)、上皮細胞に分化する細胞は見られない(右)。
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