共同利用・共同研究拠点

金沢大学がん進展制御研究所分野別主要研究課題

平成27年1月1日現在

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研究分野(教授)・プロジェクト(准教授) 主要研究課題
がん幹細胞研究
プログラム
遺伝子・染色体構築研究分野
(平尾 敦)
当研究分野では,造血,神経系を中心とした組織幹細胞の自己複製と分化制御機構を明らかにすることを目的として研究を進めています。同時に,がん組織中に存在するtumor-initiating cellの制御機構の解明に取り組んでいます。がん組織の未分化性維持や分化を制御する因子を探索し,新しいがん診断・治療法の開発を目標としています。
腫瘍遺伝学研究分野
(大島正伸)
消化器がんの発生過程では, Wntシグナル活性化とPGE2経路誘導の相互作用が重要な役割を果たす事が知られています。当研究室では,胃粘膜上皮細胞でWntおよびPGE2双方の経路を活性化させることにより,ヒト胃がんと同じ分子機序で胃がんを発生するマウスモデルを作製しました。このマウスモデルを用いて,胃がん発生分子機序の解明を目指す基礎研究の共同研究が可能です。
腫瘍分子生物学研究分野
(高橋智聡)
様々ながん抑制遺伝子・がん遺伝子の変異を複合的に導入し,発がん・悪性化・転移やがん幹細胞の機序を分子レベルで解析するのに都合のよい発がんモデルマウス系を作製・解析しています。また,high throughputな薬剤探索に適したin vitroがん幹細胞モデル系の開発を目指しています。これらの系に種々の遺伝学的背景あるいは発現/発現抑制ライブラリーを導入することによってがん悪性化・転移・がん幹細胞化に密接に関連する遺伝子を探索する共同研究を行うことが可能です。
がん幹細胞探索プロジェクト
(仲 一仁)
本研究プロジェクトでは,慢性骨髄性白血病(CML)幹細胞を標的とする新しい治療法の研究を行っています。CMLマウスモデルから純化したCML幹細胞をレシピエントマウスに移植し,生体内でのCML幹細胞の自己複製能力や抗がん剤投与後の治療抵抗性を解析しています。生体内での微小環境におけるCML幹細胞維持・治療抵抗性の分子メカニズムの解明を指向した共同研究を行うことが可能です。
がん微小環境研究
プログラム
細胞機能統御研究分野
(佐藤 博)
MMP (Matrix Metalloproteinase)はがんの浸潤・転移に重要な役割を果たします。特に膜型MMP-1 (MT1-MMP)は,がんの悪性化形質と密接に結びついています。当分野では,MT1-MMPの浸潤・転移における機能を分子レベルで明らかにし,MT1-MMPを分子標的とした治療法の開発を目指しています。MT1-MMPおよび近縁のメタロプロテアーゼの機能解析とそれらを標的とした治療法の開発を目指す共同研究が可能です。
分子生体応答研究分野
(向田直史)
内胚葉由来臓器のがんで発現が亢進しているセリン/スレオニン・キナーゼ,Pim-3を標的分子とした新しいがん治療法の開発を目指す共同研究が可能です。
ケモカインのがんの発症・進展過程での役割の解析を通した新規の抗がん治療法を目指した,これらのケモカイン関連遺伝子欠損マウスを用いた共同研究が可能です。
免疫炎症制御研究分野
(須田貴司)
アポトーシスと炎症は共にがんの発生・進展に大きく影響します。我々はアポトーシスと炎症の接点で機能する蛋白群の機能を解析し,その知見に基づいた新しいがん治療法を研究しています。現在,Fas,Fasリガンド,NLRファミリー,ASCなどの蛋白群に着目しており,これらの分子に関する様々な研究ツール(抗体,遺伝子,スクリーニング系など)を開発しており,それらのツールを用いた共同研究が可能です。
腫瘍動態制御研究分野
(松本邦夫)
HGF(hepatocyte growth factor)は組織の再生を担う一方,がんの浸潤・転移に関与しています。当研究分野ではHGF-Met受容体を介したがん悪性進展機構,HGF-Met系の構造情報に基づく創薬研究を進めています。また、PRC/エピゲノム制御を介したがん浸潤・がん悪性化関連遺伝子制御機構の研究を進めています。(1) HGF-Met系を標的とする制がん研究や創薬,(2) PRC/エピゲニム制御異常を介した悪性進展研究のための共同研究を行うことが可能です。
がん分子標的探索
プログラム
分子病態研究分野
(後藤典子)
癌と癌幹細胞に注目し、基礎研究から臨床へと連続する研究の展開を目指している。最先端の分子生物学、細胞生物学的手法、さらにはシステム生物学的理論を組み合わせて、癌の早期発見や個々の患者に最適な治療法を選択するための診断マーカーの抽出、そして新しい抗がん剤開発のための新たな分子標的の発見を試み、トランスレーショナルリサーチへと展開している。特に、乳癌においては、臨床検体を用いた培養と動物移植モデルの作出を行っており、分子標的の評価系として特色あるシステムを構築している。
シグナル伝達研究分野
(善岡克次)
哺乳類MAPキナーゼ(MAPK)経路の異常は,細胞のがん化と密接に関係していることが知られています。当研究分野では,MAPK経路の特異性を規定する足場タンパク質JSAPに注目した解析を行い,シグナル伝達の特異性維持機構およびMAPK経路のin vivoでの機能解明を目指して研究を進めています。哺乳類MAPK経路の足場タンパク質を切り口として,細胞のがん化に関わる新たな標的分子の探索とがんの発生メカニズムに関する共同研究が可能です。
腫瘍制御研究部門
(源 利成)
消化器がんと難治がんを対象に,系統的なヒトがん組織資源を保有し(前者は当研究所ヒトがん組織バンクとして共同利用できます),がんの多様な分子細胞メカニズムと腫瘍外科学的特性の融合的解明を目指す,基礎-臨床橋渡し研究を行っています。とくに,膵がんや膠芽腫を含む難治がん制御への取り組みに重点をおき,がん治療の臨床試験を推進しています。これらすべての課題について,共同研究を歓迎します。
機能ゲノミクス研究分野
(鈴木健之)
当研究分野では,レトロウイルスやトランスポゾンによる挿入変異を用いて,がん関連遺伝子を網羅的に単離し,その機能を解析することで,がんの新しい分子標的の探索を行っています。特定のがん遺伝子と協調的に作用する遺伝子や,転移・薬剤耐性などがんの悪性化に関わる遺伝子を同定して,多段階発がんの分子メカニズムを解明するために,これらモバイルエレメントを利用した挿入変異解析の共同研究を行うことが可能です。
がん分子標的医療
開発プログラム
腫瘍内科研究分野
(矢野聖二)
当研究分野では,難治性固形癌である肺癌,胸膜中皮腫,胃癌、膵癌をとりあげ,難治化の要因である転移や薬剤耐性の分子機構解明とその分子標的治療開発や早期診断法開発に向けたトランスレーショナルリサーチを展開している。当分野で開発された同所移植モデルや分子標的薬耐性モデルを用いての共同研究が可能です。